ダリオ・トナーニの部屋

イタリアのSF作家ダリオ・トナーニを紹介する特設ページです。

ダリオ・トナーニ略歴

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ダリオ・トナーニ(Dario Tonani

 

1959年ミラノ生まれ。ボッコーニ大学で政治経済学を専攻。だが、物書きとして生きていくことを選ぶ。ジャーナリストとして、『Quattroruote』誌や『Ruoteclassiche』誌のような専門誌に記事を書く。

 

SF、ファンタジー、ホラー、スリラーへの大きな情熱を持ち、イタリアのジャンル誌(『Giallo Mondadori』『Segretissimo』『Urania』『Millemondi』『Robot』)、アンソロジー(出版社は、MondadoriBiettiStampa AlternativaAddictionsPuntozeroComic ArtDelos Books)、雑誌、新聞に、長篇作品や80本ほどの短篇を発表。

 

20074月、『Urania』誌上で、トナーニの最も称賛された作品が発表された。それがSFノワールInfect@』だ。この作品は、2005年にウラニア賞の第2位を獲得、映画化権も売られた。この小説では、カートゥーン化された多民族的都市ミラノが描かれたが、これと同じミラノを舞台した一連の短篇も発表された。その最初のものが「Velvet Diluvio」で、200710月に、またもや『Urania』誌に掲載された。

 

infect@』以前にも『Urania』誌には、トナーニの作品は2度掲載されたことがある。1998年には『Urania - Millemondi: Strani Giorni』に短篇「Garze」が掲載。この作品はフランス語にも訳された。そして2003年には、ホラー特集号『Urania - In fondo al nero』に、「Necroware」が掲載された。

 

20093月には、再び『Urania』誌に、短めの長篇2作からなるAgoversoミニシリーズ『L’algoritmo bianco』が掲載。どちらも2045年のミラノを舞台にした作品で、主人公も同じである(殺し屋グレゴリウス・モッファ)。

 

2010年にはMondadori社の雑誌に、二本のノワール作品を発表。1月に「Il fuoco non perde mai」が『Segretissimo』誌(1559号)に、7月に「L'escapista」が叢書Giallo Mondadori3007号)に、それぞれ掲載された。

 

20108月には40k Booksから電子書籍として、スチームパンク・ミニ・サーガの第一章「Cardanica」が刊行された。続いて同出版社から、続編の「Robredo」(20112月)、「Chatarra」(20115月)、「Afritania」(20121月)が刊行。2011年には「Cardanica」がアメリカ合衆国電子書籍として刊行され、9週間に渡り、アメリカのamazonのテクノスリラーのランキングで、トップ100に入り続けた。この作品は、スチームパンクの父、ポール・ディ・フィリポからの熱烈な賛辞を得た。

 

20113月、Delos Booksから短篇集『Infected Files』が、紙の書籍と電子書籍で刊行。この短篇集には、トナーニの最良のSF短篇が収録されている。本書の12の短篇作品は――再録作と未発表作(そのうちのいくつかは、『Infect@』や『Toxic@』と同じ世界を舞台とする)――2002年から2010年にかけて書かれたものである。

 

20119月、『Toxic@』(『Urania』誌)が刊行。『Infect@』の登場人物たちが、7年後の物語を展開する続編だ。さらには2025~2032年のカートゥーン化されたミラノの世界が、10のスピンオフの短篇で描かれた。

 

2012年、Delos Booksの叢書Odissea Fantascienzaから、『Mondo9』(シリーズ全作)が刊行。これは電子書籍で刊行された短篇全4作に加筆修正を施して、一冊にまとめた“フィックスアップ”作品である。

 

トナーニの作品は数々の賞を獲得した。例えば、1989トールキン賞、2013年ロボット賞、2013カシオペア賞、ラブクラフト賞は2度(1994年と1999年)、イタリア賞は5度(19891992200020122013年)受賞。

 

既婚で、18歳になる息子が一人いる。ロンバルディアの周辺地区で暮らす。彼の小説の舞台となった場所の近くだ。現在、ミリタリーSFシリーズのプロジェクトと、『Mondo9』の続編シリーズの執筆を交互に進めている。

 

代表作

Infect@』(2007年)

L'algoritmo bianco』(2009年)

Toxic@』(2011年)

Mondo9』(2013年)

※一部の作品タイトルは、シーライトパブリッシング社のサイトで連載中の書籍紹介コラム「イタリアの本棚」にリンクしています。